更新情報


2022/08/26
公募研究オンライン説明会のお知らせ(※詳細は 公募研究の募集 をご覧ください)


2022/08/01 
研究公募を開始しました。(※詳細は 公募研究の募集 をご覧ください)


2022/08/01
ウェブサイトを公開しました。



領域概要

生体デザインの多様性と普遍性を解き明かす研究は、生命科学の根幹を担っています。発生過程で細胞集団が組織・器官としての機能を創発する過程では、細胞の運命・形・機能が規則的なパターンを形成する「自律的秩序化」が関わります。近年、この自律的秩序化には、細胞が外環境からの力作用を感知・応答する現象が、重要な働きを担うことが示唆されました。生体内の力作用には、「細胞由来の力」と「細胞外基質や管腔など細胞外の“場”由来の力」が関与し、両者は相互作用してマクロスケールで不均一な空間分布を示します。更に、発生で起こる細胞の分化が、生体内力作用に一見不規則な継時変動を引き起こします。これらの複合的かつ動的な力学情報を開示し、力の生理的意義を解明することで、化学シグナルを中心に構築された従来の発生プログラムに概念的転換が期待されます。

本領域研究では、「力による多細胞システムの自律的秩序化」を司る基盤原理の解明を目指します。力作用の短時間に長距離伝搬するユニークな時空間特性が、生体内の化学シグナル伝達をマクロスケールで調和する仕組みを解明することで、細胞集団で起こる自律的秩序化を司る法則を突き止めます。この研究が、発生現象を「マクロスケールで進行する力学作用(力と形態)と化学反応(運命と機能)のフィードバックによる細胞集団秩序の創発」と新しく定義することで、生体デザインの原理にパラダイムシフトを導出します。本領域研究を介して、発生力学と生体計測解析で国際的に活躍する研究者が連携する異分野融合研究拠点を確立し、生命科学と医療分野の発展を促進する新規学問の構築を目指します。

領域研究代表者からのメッセージ

生物が卵から個体に至る過程では、様々な細胞がそれぞれの運命に従うことで、組織固有の形と機能を獲得します。この発生過程は、これまで細胞内外分子の化学反応アンサンブルと解釈されてきましたが、細胞集団の運命・形・機能がマクロスケールで自律的に調和する「自己組織化」の理解は未だ遅れています。本領域研究では、既存の発生概念に欠ける「力作用による生体秩序化の制御」の解明を目標とし、発生現象を「力学作用と化学反応のフィードバックによる細胞集団秩序の創発」と新たに定義することで、自己組織化の原理を包括的に解き明かします。細胞集団が、発生過程の「時間軸―空間軸―力作用軸」で制御され、力作用を介して自律的に形質転換する法則を理解することで、生体設計のパラダイムシフト導出を目指します。

本領域研究では、発生力学と生体計測解析の第一線で活躍する研究者が連携し、多国籍の研究者による「英語コミュニケーションを基盤とした体制」を生かして、世界をリードする国際的な異分野融合研究拠点を開拓します。発生学・細胞生物学・生物物理学・生体工学・マテリアル科学・数理科学・情報処理学など複合的研究分野の融合によって「革新的な学問」を確立することで、生命の形と機能をデザインする原理という大きな謎の解明に迫ります。

北海道大学遺伝子病制御研究所 教授
茂木 文夫


研究組織

A01

生体の自律的秩序化における「細胞由来の力作用」の役割

「細胞由来の力作用」が、生体の自律的秩序化における細胞間コミュニケーションを制御する仕組みを解明します。


A01-1
体細胞と生殖細胞パターンの秩序化を創発する力学化学クロストーク

本研究では、初期胚が細胞分裂と極性化を介して「細胞運命の空間パターン」を獲得する仕組みを解明します。胚発生で起こるパターン形成が、細胞スケールから組織スケールへと拡張する過程で、力学作用と化学反応がカップリングする機構を明らかにすることで、生体設計の基本原理を解き明かします。

茂木 文夫

Fumio Motegi

代表

北海道大学
遺伝子病制御研究所 教授

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A01-2
組織パターン形成を制御する力学化学クロストーク

本研究では、空間的に一様な細胞の集合塊が機能的なパターンを獲得する機構を理解することを目指します。哺乳類の胚に見られる細胞塊をモデルとし、細胞の対称性の破れとそれに続く組織パターン形成を可能にする力学作用、さらにはこの力学と相互作用する化学反応を明らかにし、胚発生の基本原理を解き明かします。

柊 卓志

Takashi Hiiragi

代表

京都大学
高等研究院ヒト生物学高等研究拠点 主任研究者

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市川 尚文

Takafumi Ichikawa

分担

京都大学
高等研究院ヒト生物学高等研究拠点 特定助教

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A01-3
メカノ-ゲノムクロストークが制御する上皮組織の自律的秩序化

本研究はショウジョウバエ胚の原腸陥入をモデルとし、空間トランスクリプトーム解析や力学計測、力と組織変形の操作技術を駆使してメカノ-ゲノムクロストークの機構を解明します。そして、このクロストークにより胚発生において力と運命が秩序化する原理を追求します。

近藤 武史

Takefumi Kondo

代表

京都大学
生命科学研究科 特定講師

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Yu-Chiun Wang

分担

理化学研究所
生命機能科学研究センター チームリーダー

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A02

生体の自律的秩序化における「細胞外“場”由来の力作用」の役割

「細胞外環境由来の力作用」が、自律的秩序化を介した組織機能の創発を制御する仕組みを解明します。


A02-1
管腔組織の秩序化におけるメカノケミカルフィードバックと組織機能の創発

本研究では複数の管腔組織を対象として、内腔がもたらす力に応答する細胞が内腔の形やサイズを変容させるメカノケミカルフィードバック機構を探索します。力と分子のフィードバック機構を明らかにすることにより、器官の形態構築と機能創発をもたらす仕組みを明らかにします。

Li-Kun Phng

代表

理化学研究所
生命機能科学研究センター チームリーダー

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藤森 俊彦

Toshihiko Fujimori

分担

基礎生物学研究所
教授

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進藤 麻子

Asako Shindo

分担

熊本大学
発生医学研究所 准教授

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A02-2
神経系組織構築における力の協調作用

脳の細密で秩序化した細胞構築の形成過程で、ニューロンやグリアが環境から受ける外力に応答しつつ、自身が発生する内力を用いて最も有効な運動や形を生む力学化学カップリング機構を明らかにします。

見学 美根子

Mineko Kengaku

代表

京都大学
高等研究院 教授

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佐藤 純

Makoto Sato

分担

金沢大学
新学術創成研究機構 教授

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B01

生体内力発生の定量的計測とその理論解析

生体において細胞集団および細胞外環境にかかる力を計測・操作し、その時空間パターンを定量的に解析します。


B01-1
メカノケミカルフィードバックによる自律的秩序化原理の理論展開

本研究課題では、「力による生体秩序化」の解明に必要な、生体の力学作用と化学反応を多階層・多次元的に解析するための数理・計算的手法を開発し、メカノケミカルフィードバックによる自律的な生体制御の普遍的な原理を解き明かします。

柴田 達夫

Tatsuo Shibata

代表

理化学研究所
生命機能科学研究センター チームリーダー

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奥田 覚

Satoru Okuda

分担

金沢大学
ナノ生命科学研究所 准教授

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B01-2
生体内力作用の定量的計測技術開発

本研究課題は、原子間力顕微鏡、磁気ピンセット、人工細胞、光遺伝学ツール等の基盤技術を統合し、細胞から組織スケールをカバーする幅広いサイズの試料を対象に、その内部および表層にはたらく力を「計測・操作」する新規技術を確立することを目的とします。

吉村 成弘

Shige H. Yoshimura

代表

京都大学
生命科学研究科 准教授

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谷本 博一

Hirokazu Tanimoto

分担

横浜市立大学
理学部 准教授

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宮崎 牧人

Makito Miyazaki

分担

京都大学
白眉センター 特定准教授

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公募研究の募集

本領域は、多彩な生命現象の背後に潜む「秩序化」の普遍的原理を明らかにするために、多様な生体システムの自己組織化を標的として、力作用を定量的に計測し人為的に操作することで、力作用(力と形)と化学反応(運命と機能)との連携による秩序化メカニズムを解明します。

つまり、本領域が対象とする「力による生体秩序化」は、力作用と化学反応の定量的解析によって物理化学に基づく原理として評価される必要があり、この達成には発生力学と生体計測解析の連携が不可欠となります。

そこで公募研究では、計画研究項目が推進する連携研究アプローチを補完し強化するための、発生力学研究および生体計測解析研究を広く募集するとともに、ユニークな生体システムの解析や革新的な生体計測解析技術の開発からアプローチする挑戦的な研究を公募します。

本領域は、国籍・言語・性別・年齢に関わらず研究能力の優れた者が集う研究拠点を目指して「完全英語化」を推進しており、この理念と合致した公募研究を期待します。

文部科学省公募要領

公募研究オンライン説明会のお知らせ

令和5ー6年度を対象とした「公募研究」の募集に関するオンライン説明会を以下の要領で実施し、領域代表による概要説明の後に公募研究に関するQ&Aを受け付けますので、興味がある方は是非ご参加ください。説明会に参加される方は、下記フォームより事前登録をお願いします。

First session: 2022年9月9日(金) 16:00-17:00
Second session: 2022年9月16日(金) 16:00-17:00
Zoom Info
 Meeting ID: 699 308 5767 
 Passcode: FMYNSK


連絡先

学術変革領域研究 (A) 生体秩序力学 事務局
住所:〒060-0815 札幌市北区十五条西七丁目 北海道大学遺伝子病制御研究所
E-mail: multicellular_mechanics@igm.hokudai.ac.jp